所有している部屋数にもよりますが、不動産の管理は大変です。
入退去がなく常に満室、家賃滞納、設備の故障、入居者からのクレームもなく、修繕の必要もない、そんな物件はありません。
なにも起きない時は、それほど重要性を感じない賃貸管理ですが、いざ問題が起きると大変な労力を伴います。
最近はインターネットで情報を入手できますから、入居者の知識も豊富でトラブルが発生すると、他の仕事は何もできなくなります。
不動産オーナーといっても、自分の不動産を借りてもらうことによってお金をもらうサービス業のようなものですから、自分の商品(部屋)の価値を高めることは必須です。
このページでは、不動産投資の成否に大きな影響がある賃貸管理業務の内容について説明します。
オーナー自らが空室の情報をインターネット広告に掲載して入居者を探すことはできません。
入居者は不動産仲介会社に探してもらうことになります。
空室がでると、たくさんの人に部屋を紹介してもらうために、何十社も不動産仲介会社回りをしているオーナーもいます。
たくさんの会社に募集依頼をかけていると毎日電話の嵐です。
賃貸の営業マンは賃貸の契約までが仕事で、他社の営業マンとは競争ですから、「家賃を下げてほしい」とか「この入居者なら問題ありません」などと、どんどん薦めてきます。
そこでオーナーが正しい判断ができなければ不要に家賃を下げてしまったり、問題のある入居者を入居させてしまったりということが起こります。
遠くない将来に人口が減少し、住宅が余る時代がやってきます。
賃貸不動産市場は一層借り手市場となり、大家に不利なこともたくさん起こるかもしれません。
余計な空室をださないために、設備の故障や隣人トラブルなど入居者からのクレームには直ちに対応する必要があります。
しかし、設備の故障ひとつ取ってもオーナーが対応するべきもの入居者が対応するべきものがあり、その線引きには専門的な知識が必要です。
それが入居者が対応するべきものであった場合には、入居者への適切な説明も必要となります。
月に1度とは言っても、部屋数が多くなれば入金の確認も大変になります。
さらに、アパート経営で空室よりも恐ろしい「滞納」という問題があります。
部屋は空いていないのに家賃が入ってこない。
空室ならば新しい入居者が決まれば家賃が払われます。
しかし、滞納は部屋が空いていないので、新しい入居者を入れることはできません。
ただで部屋を貸しているのと同じです。
アパート経営で一番恐ろしいのは滞納なのです。
滞納家賃の回収は大変です。
精神的にも辛いですし、滞納している人が悪いのに、回収のやり方を間違えると逆に訴えられたり、警察を呼ばれてオーナーが連行される恐れもあります。
賃貸契約は、一般的には2年に1度契約更新があります。
更新料を払ってもらい、更新の書類を作成し、火災保険に加入してもらいます。
連帯保証人がいれば、引き続き保証人となっていただくための確認をとります。
このタイミングで家賃の値下げ交渉をされたり、更新料の値引きを交渉されたりすることもあります。
賃貸契約が解約となった場合には、さらに多くの業務が発生します。
原状回復の費用負担の交渉や敷金精算業務は、特にトラブルが多い業務です。
入居者側もなるべく敷金が戻ってくるように勉強しています。
「原状回復費用の入居者に負担してもらおうと思ったら支払いを拒否された」というのはよくある話です。
入居時にあらかじめ原状回復ガイドラインに従って費用負担の説明ができていれば起きないトラブルです。
入居・退去時には、専門家を介することがトラブル防止になります。
入居者のいる建物は不動産オーナーの商品です。
商品価値を保つための適正な管理が必要です。
〇建物管理の業務例
所有している物件の価値を高め、入居者を確保するためには、定期的なリフォームやリノベーションが必要です。
リフォーム箇所の決定、業者や資材を選定したり交渉する、資金調達をするなどの業務を行います。
大きな費用の支出がありますので、選択を間違えると経営への悪影響がでます。
アパート管理上のトラブルの多くは「専門の管理会社がいれば防げる問題」です。
ひと昔前は、自主管理が主流でアパートのオーナーが各賃借人を回って家賃を集金していたり、大家さんがアパートの掃除をしていましたが、最近のトラブルは専門知識のない当事者間の話し合いで解決できる問題ではなくなっています。
ひとたびトラブルになってしまうと、解決には時間と費用がかかる非常にやっかいなものとなり、アパート経営を圧迫します。
不動産投資の成否を左右する賃貸管理ですが、重要だからこそ賃貸管理は専門業者に委託して、不動産オーナーは他のビジネスに時間を使うことが賢明です。
運営者
不動産専門FP事務所
YKファイナンシャルプランニングオフィス