住宅ローンの金利は市場の金利と連動しています。
変動金利は、一般的に短期プライムレートと長期固定金利は、10年国債の利回りと連動しています。
2020年10月現在、日本銀行が金融緩和を行っており、市場の金利は日本銀行の金融政策でコントロールされています。
住宅ローンの金利は日本銀行の金融政策で大きく左右されるということです。
2020年10月時点で、日本銀行がおこなっている主な金融政策は以下の2点です。
①金融市場調節によって長短金利の操作を行う
短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に‐0.1%のマイナス金利を適用する。
長期金利:10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。
②消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベース※の拡大方針を継続する
※日本銀行が世の中に直接的に供給するお金の量
金融政策の操作対象は、基本的には「短期金利」であり、「長期金利」はマーケットが決めるというのが常識でしたが、その概念は捨て去らなくてはならなりました。
「変動金利の上昇が始まった時には長期固定金利はすでに上昇している」というような解説をするファイナンシャルプランナーが多くいますが、過去の常識で説明しているということになるでしょう。
ちなみに資産購入プログラムは日本独自のものではなく、リーマンショック時には、アメリカ・イギリス・スウェーデン・ヨーロッパ(ユーロ)などで行われ、コロナウイルス感染拡大による経済対策としても採用されています。
日銀の金融緩和によって低金利となっている住宅ローンですが、金融緩和は永遠に続くものではありません。
日銀は生鮮食品を除く「消費者物価指数」の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、金融緩和を継続すると公表しています。
「消費者物価指数」の上昇率が安定的に2%を超えれば金融緩和は終了となり、住宅ローンの金利が上昇していく可能性があります。
金融緩和は突然終わらせると経済への影響が大きすぎるため、少しずつ縮小されていくと予測されます。
リーマンショック時に大規模な緩和を行ったアメリカでは2014年に1年かけて資産購入プログラムを縮小させ、2015年12月から徐々に政策金利を上げていきました。
2018年12月まで9回の利上げを行い、0.25%だった政策金利を2.5%まで上昇させています。
①日銀金融政策決定会合
②「消費者物価指数」の上昇率
③失業率などの雇用統計
変動金利でローンを借りている人は、この3点はチェックして金利変動に備えておきましょう。
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